レ ボワ ペルデュ アンブラッセ モワ 2022
生産者名/ワイナリー名『レ ボワ ペルデュ』
ワイン名・アンブラッセ モワ 2022
生産国・フランス
産地・ローヌ
スタイル・赤
品種・カリニャン 50%、サンソー 50%。
『レ ボワ ペルデュ』
素晴らしいワインを生み出してくれる作り手たちにはいろいろなタイプがいます。芸術家のような天才的な感性とひらめきで作る人もいれば、精微で丁寧な仕事の積み重ねで作る職人肌の人もいます。レナ ペルデュとアレクシ ロバンの2人のカップルで営まれるレ ボワ ペルデュは、どちらかと言えば後者の造り手と言えます。もちろん、彼らが感性に乏しいと言いたいわけではありません。事実、2人はとても視野が広く、そして繊細な味覚の持ち主です。自らのインスピレーションによって、ワインの成長を方向づけ、素晴らしいワインを完成させています。しかし、そのプロセスを支えるのは、日々の細やかな仕事の積み重ねと、自らに妥協を許さない芯の強さです。そして、もうひとつのアドバンテージは、2人の感受性が、微妙に異なっていて、それぞれが違ったポイントに気を配れるという点です。もともと映画関係の仕事をしていたという2人ですが、活躍の場をワインに変えても、2人で作品を磨き上げているんだと感じます。レ ボワ ペルデュのワインの魅力として強く感じるのが、『それぞれのキュヴェがちゃんと個性があり、違いを明確に感じる』です。キュヴェが違えば味が違って当然じゃないかと思われるかもしれませんが、実は意外とこれができていない造り手も多いのも事実です。畑の個性、ブドウ樹の個性、ヴィンテージの個性をいきいきと表現させるのが自然派ワイン作りですが、ワインそのものを酸化や微生物から守ろうとするあまり、製法の風味が強く出てしまい、本来の個性がマスクされるなんてこともあります。しかし、レ ボワ ペルデュの2人は、しっかりとそれぞれのキュヴェを描き分けており、それぞれにちゃんと個性を感じます。と同時に、ヴィンテージも品種も超えて全てのワインに通底する『署名』のような個性もあります。この『署名』が記されたワインというのが、実は一番好きなワインであったり、造り手であったりします。
アンブラッセ モワ 2022
キュヴェ名のアンブラッセ モワは「キスして」という意味で、ちょっとキュンとさせられるエモーショナルなネーミングのワインです。明るくも淡い美しい色調とグラスに入れた瞬間から溢れ出す赤いスグリやベリーの甘酸っぱい香り。どことなくジュラのワインを想起させるような滋味深い果実味と長い余韻があり、旨味がたっぷりと感じられます。小さいけれど熟した果実をついばむ鳥のような気持ちになれるチャーミングなワインで、一粒ついばめば、すっと空高く飛んでいけそうな外向的なワインです。あらゆる料理に合いそうなスタイルで、ハーブを効かせた焼き魚からローストした肉料理、ミントや豆をたっぷり使った中東っぽい料理もオススメです。尚このワインは、抜栓後はその日のうちに飲んでしまうのがオススメです。ブドウはビオロジックで栽培されたものを用い、自然酵母のみでステンレスタンクで発酵させ、そのまま熟成し、厳密な濾過(ろか)や清澄も行わず、瓶詰め時に至るまで亜硫酸塩(酸化防止剤)無添加で造られています。